記事『私の履歴書 樂直入』2020年2月連載

日経新聞で毎月連載している私の履歴書。毎月読んでいるけど、当たりはずれが大きい。最近だと、昨年9月連載の一橋大学名誉教授野中郁次郎や、昨年11月連載のファンケル会長池森賢二の連載が面白かった。その後あまり印象に残っていなかったが、今月の連…

書籍『大手広告代理店のすごい舞台裏-電通と博報堂が圧倒的に強い理由』本間龍 2012年7月5日

感銘を受けたというほどではないが、なんだかんだで面白かったので備忘のために記載する。 大手広告代理店の業界研究にと思い、軽い気持ちで手に取ったこの本。 元博報堂営業マンの著者が、大手広告代理店の実態を赤裸々に綴る。前半は下世話な話題ばかり。…

私たちがいない世界で

万が一、災害や事故で妻と私が同時に死ぬようなことがあったとき、幼い子どもたちは幸せに生きていくことができるだろうか。保険金は沢山入るだろうけど、誰に面倒を見てもらえばいいか。両家の祖母や祖父なら誰でも惜しみない愛情を注いで育ててくれるだろ…

書籍『虹の解体―いかにして科学は驚異への扉を開いたか 』リチャード・ドーキンス 2001年3月

ニュートンが太陽光をプリズムで7色に分光したとき、詩人ジョン・キーツらは「虹の持つ詩情を破壊した」と非難した。 しかし、ニュートンの発見により、我々は、虹の美しさがそれ自体の持つ固有の美しさに由来するのではなく、我々の眼が光の波長を色として…

映画『プライベート・ライアン』スティーヴン・スピルバーグ 1998年9月26日公開

冒頭のノルマンディー上陸作戦にて繰り広げられる殺戮の地獄絵図が衝撃だった。戦車が近づいている来る時の地鳴り、耳をかすめる銃弾の音、気付けば火薬と土埃と血の臭いが漂ってくる。常に「次の瞬間に死んでいるのは自分かも知れない」という絶望感を覚え…

書籍『生命とは何か-物理的にみた生細胞-』エルヴィン・シュレーディンガー 1944年

シュレーディンガー著『生命とは何か-物理的にみた生細胞-』岡小天・鎮目 恭夫訳読了。 理論物理学者であるエルヴィン・シュレーディンガーが物理学的見地から生命を分析した歴史的価値ある著作。1944年刊行。 物理法則が原子に関する統計的なものであ…

家に帰るまで待っていて

妻と子どもと一緒にいる瞬間、何にも代え難い幸せを感じる。それゆえに、子どもが生まれる前に亡くなった親友のことを思い、どれだけ無念なことだったろうと胸を締め付けられる。 昨晩、夢で親友に出会った。夢の中、久しぶりに会ったことが面白くてたまらな…

映画『ステキな金縛り』三谷幸喜 2011年10月29日公開

高熱を出し、インフルエンザの疑いがあるため、一昨日から自宅近くのホテルに閉じこもっていた。小さい子どもがいるので移す訳には行かないのである。 病院で診察を受けたところ、インフルエンザ検査ではない模様。無事に熱も下がり始めて回復してきたものの…

映画『MERU/メルー』 ジミー・チン、 エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ 2015年8月14日公開

映画『MERU/メルー』 ヒマラヤのメルー峰にそびえ立つ岸壁、通称シャークスフィンへの初登頂を記録した山岳ドキュメンタリー。 (C)2015 Meru Films LLC / MERUより引用 登山家がわざわざ危険でしかない山に登る気持ちは全く理解できなかった。この映画を見…

マングローブの生存競争

職場の旅行で西表島を訪れ、仲間川でマングローブを観察した。 マングローブは、汽水域の塩分濃度でも耐えられる樹木群をいう。一見どの樹も同じように見えるが、船首の説明を聞くうちに見分けが付くようになる。船首曰く、マングローブの樹木には6種類があ…

無敗弁護士

珍しく特許訴訟に携わった。 相手方についた代理人は多くの著名特許訴訟判決に名前を連ね、多数の論文を発表する「超」大物弁護士である。だいぶ高齢だが、法律事務所のホームページに掲げられた自己紹介では、特許訴訟被告事件で、なんと「負けたことがない…

沖の干潟遥かなれども

昨年末、親友が亡くなった。大学で知り合った十数年来の友人で、卒業後は離れたところに住んでいながらも定期的に顔を合わせていた。彼はいわゆる「趣味人」で幅広い分野に造詣が深い。ぼくはそんな彼の心の豊かさに憧れていた。大人になると、利害関係のあ…