私たちがいない世界で

万が一、災害や事故で妻と私が同時に死ぬようなことがあったとき、幼い子どもたちは幸せに生きていくことができるだろうか。保険金は沢山入るだろうけど、誰に面倒を見てもらえばいいか。両家の祖母や祖父なら誰でも惜しみない愛情を注いで育ててくれるだろう。しかし、年齢や健康状態から育てられないということもあり得る。では、叔父や叔母はどうか。叔父や叔母には自分たちの子どもがいる。親族とはいえ、他所の子どもを自分の子どもと同じように愛情をもって育てられるだろうか。自分自身に置き換えて考えたとき、自信をもって答えることができない。自分の子どもというのはやはり特別だ。
ハリー・ポッターは、両親の死後、叔母の家庭で預けられ、十分な愛情を受けることができずにいた。彼は、魔法を知り、自分だけの世界を手に入れた。
子どもに魔法を教えることは叶わないし、万全の策を講じることもできないだろう。せめて子どもたちのために今できることを備え、子どもたちがどんな環境におかれようとも自分の幸せを見つけて生き抜くことができるような力を身につけさせたい。