書籍『虹の解体―いかにして科学は驚異への扉を開いたか 』リチャード・ドーキンス 2001年3月

ニュートンが太陽光をプリズムで7色に分光したとき、詩人ジョン・キーツらは「虹の持つ詩情を破壊した」と非難した。

しかし、ニュートンの発見により、我々は、虹の美しさがそれ自体の持つ固有の美しさに由来するのではなく、我々の眼が光の波長を色として識別できることに由来し、すなわち我々自身が持つ眼という奇跡的な機関の存在に対する賛歌であると気付かされたはずだ。

虹自体の美しさが失われたという意味ではジョン・キーツの指摘のとおりかもしれないが、「生命に対する賛歌であり祝福」という更に深い美しさを明らかにしたのだと感じる。
リチャード・ドーキンスは、これを科学が持つ抗しがたい魅力「Sense of Wonder」という詩的な世界へと導いたのだと評している。

私は、私自身が持つ神秘さに「Sense of Wonder」を覚えた。