記事『私の履歴書 樂直入』2020年2月連載

日経新聞で毎月連載している私の履歴書。毎月読んでいるけど、当たりはずれが大きい。
最近だと、昨年9月連載の一橋大学名誉教授野中郁次郎や、昨年11月連載のファンケル長池森賢二の連載が面白かった。その後あまり印象に残っていなかったが、今月の連載は面白い。

 

執筆しているのは、第十五代樂吉左衞門、樂直入。全く存じ上げなかったけれど、非常に高名な茶碗師樂家の陶工。

 

肩書が高尚すぎて、芸術に疎い凡人が読んでもなぁと思っていたが、面白い。

 

茶碗師樂家の長男として生まれ、大学時代には芸術という自己表現が傲慢だとという思いに苦しむ。しかし、器物が持つ「用」という優しさに導かれて陶芸の道へ進む。

「最も嫌なこと、それは父に似た、同じような茶碗を作ることだった。」

 

素直に凄いなあと溜息が出る。芸術の道を理解したような気にさせてくれる。