書籍『大手広告代理店のすごい舞台裏-電通と博報堂が圧倒的に強い理由』本間龍 2012年7月5日

感銘を受けたというほどではないが、なんだかんだで面白かったので備忘のために記載する。


大手広告代理店の業界研究にと思い、軽い気持ちで手に取ったこの本。

 

博報堂営業マンの著者が、大手広告代理店の実態を赤裸々に綴る。前半は下世話な話題ばかり。タクシーの乗車拒否が横行していた時代、取引先との接待の後にタクシーを止めるため部下2名で車線を封鎖した等々、面白おかしく軽快な書きぶりである。

後半では業界構造が分析されている。本書の締めくくりでは、広告代理店アサツーディ・ケイが政府の「原子力安全情報広聴・広報事業」の委託を受けてツイッターやインターネット上の情報を常時モニタリングし、不正確とされる情報等に対して「速やかに正確な情報を提供し、又は正確な情報へ導く」業務に従事したことに触れる。このような政策的・国民監視的な分野に大手広告代理店が手を染めた場合、夢を売る「広告代理店」としての歴史が消滅することを危惧していると述べる。

著者の一歩引いた冷静な視点が面白いのだろう。原発広告について複数の著作がある模様。

 

この本の中で紹介されている「電通洗脳広告代理店」苫米地英人も気になる。だいぶ過激なタイトルだがどんな中身なのだろうか。